今週のお題:私とはてなとの出会い(id:kossy)

id:reikonがメルマガで「今週のお題」という新連載を開始することになったので、久しぶりにダイアリーを書きます。 今週のお題は「私とはてなとの出会い」。

競合サイトとしてのはてな

僕は前職のYahoo! JAPAN掲示板をはじめとするコミュニティサービスのプロデューサーを担当していました。 Yahoo!のPV、UUの伸びが鈍化する中、当時急速にUUを伸ばしていたはてなのことは、ユーザーとしてというよりも「競合サイト」として注目していました。

正直に言うと、入社するまではてなのサービスはあまり使っていませんでした。 はてブ人気エントリーをチェックするくらいだったと思います。 ただ、会社としてのはてなには興味を持っていました。 前職ではサービスの企画も担当していたのですが、ウェブアプリケーションが高機能化、複雑化するにつれ、これからのコミュニティサービスは技術力を持った人が企画段階からサービスづくりをリードした方がいいんじゃないか、と思うようになっていたのです。

その頃、はてなアイデアでユーザーの力も借りながら猛スピードで開発を進めて行く、企画から開発までコードがかけるエンジニアが一環して担当する、ブログで積極的に情報を発信してサービスの作り手の顔が見える……というサービスの開発スタイルで成長していたはてなはこれからもっと伸びる会社だな、と思っていました。

はてなに入社したきっかけ

その後、友人の紹介でid:kawasakiと出会ったのがきっかけで、2006年2月にはてなに入社することになりました。 はてなに入社した理由はいろいろありますが、

  • 20代のうちにもう一度ベンチャー企業でチャレンジしてみたかった
  • はてなのサービス、id:jkondoをはじめとするスタッフが醸し出す雰囲気に予測不能な可能性、魅力を感じて、「賭けてみよう」という気になった

が大きな理由です。

もう一度ベンチャー企業でチャレンジしてみたかった

これがはてなに入社した1つ目の大きな理由です。

僕は大学4年生だった1999年にeグループ(現在のYahoo!グループ)という無料メーリングリストサービスを提供するベンチャー企業の立ち上げに関わったことから、インターネット業界に入りました。 その後、2年も経たないうちにeグループがYahoo! JAPANに買収されるという事態になり、多くの社員は会社を辞めて、残った社員は自分を含めてたったの2名になってしまいました。 買収直前の1か月くらいの間はオフィスがなくなってしまい、自宅で仕事をしていた、なんてこともありました。(得意先の広告会社さんにものすごーく同情されたのをよく覚えています)

その後、サービスのYahoo!への移管、会社としてのeグループの清算、1つの会社が生まれてから死ぬまでを担当して、Yahoo! JAPANに転籍しました。 生まれてはじめて入った会社がたったの2年でなくなってしまったというのは大きなショックで、プライドはズタズタ、お先真っ暗な気分になりました。

こうして偶然の縁でYahoo!で働くことになったのですが、いい仲間、仕事に恵まれて楽しく仕事ができたので、結果的にはよかったと思います。 ただ、心のどこかに「もう一度ベンチャー企業でチャレンジしてみたい。 これまでの経験を生かせば今度はもっと上手く行くはず」という気持ちが残っていて、リスクを取りやすい20代のうちにやってやろう!と思い、はてなにジョインすることになりました。

はてなの予想不能な可能性に魅力を感じた

数ある会社の中でなぜはてなを選んだのか? それは未だに上手く説明できないのですが、はてなの雰囲気に予想不能な可能性、魅力を感じた、というのが理由です。

入社を考えていたころのはてなは、スタッフ9名、ほとんどのスタッフがエンジニア、という状態で、エンジニアではない自分が上手くやっていけるかな、と正直不安に感じていましたが、先に書いたとおり会社自体に好感を持っていたこともあり、最後は「まあ何とかなるだろう」と思い切って飛び込んでみることにしました。

はてな入社後

入社後の初仕事は「広告営業」でした。 「広告掲載について」に載っている媒体資料を作るのがはてな入社後2週間くらいの仕事で、当時あまり売れていなかったバナー広告、テキスト広告など、はてなの自社広告商品の設計を1から見直して、販売パートナーとなる広告代理店さんに営業して……というような仕事を1年ほど担当しました。

おかげさまで広告収益は順調に増加したのですが、大型のバナー広告にはユーザーさんからの反対意見も多くいただき、ユーザーさんの満足度と収益性をどう両立するかに頭を悩ませる日々が続きました。

その後、広告事業が軌道に乗ってきた後、開発以外のほぼすべての業務を管掌していたid:kawasakiから総務、人事、サポートなど一部の業務を引き継ぐことになり、今に至ります。 管理部門の仕事はどちらかというと「攻め」よりも「守り」の仕事が多いのですが、サービスづくり、営業の仕事にも携わっていた経験を生かして、会社としてのはてなの成長に貢献して行きたいな、と思っています。

そして今

こうして思い切って飛び込んでみたはてなですが、予想通り(?)考えてもみなかったことが次々に起きていて、刺激的な毎日を過ごしています。 まあ、一番予想外だったのは京都と東京を毎週往復する生活ですね。(笑)

今は会社のお金を預かる立場にいるのですが、はじめて入社した会社が2年もしないうちに消えてしまった、というかつての経験から、

  • 未来への投資を惜しんではいけない。 リスクを過剰に恐れるな。 新しいことにリスクがあるのは当たり前。 カネがかかるのも当たり前。
  • でも、適切なリスクコントロールも必要。 会社が潰れてしまったら元も子もない。
  • しっかりした収益基盤なくしてサービスは成り立たない。 収益化はユーザーさんに対する責任でもある。

……なんてことを日々考えながら仕事をしています。(経営ってホント難しい)

今日の総務チームのミーティングで「はてなの経費の約半分を人件費に割いています。 スタッフの生産性は会社の業績に直結します。 スタッフの貴重なパワーを最大限発揮できる環境をつくれるよう、頑張りましょう。」なんて話をしていたのですが、今は直接収益を生み出さない部門でどうやって会社の業績に貢献するか?を考えるのが楽しいです。

今週は2010年新卒採用(総合職)の書類選考をしています。 力の入った書類が多くて読むだけでも結構なエネルギーを使いますが、同時に元気ももらっています。 実際に学生さんたちとお会いする日が楽しみです。