はてな取締役を退任、退職しました

個人的なご報告ですが、このたび2009年6月いっぱいで、株式会社はてなの取締役を退任、退職いたしました。

2006年2月に16番目のはてなスタッフとして入社してから3年5か月、本当に密度の濃い時間を過ごすことができました。 仕事を通じてお世話になった方々、そしてはてなユーザーのみなさんに心より御礼申し上げます。 また、入社以来、ユニークで技術力の高いエンジニアをはじめとする、優秀でいい仲間と働くことができたことをとても誇りに思っています。 どうもありがとうございました。

1つの節目と言うことで、簡単に挨拶をさせていただきます。

はてなスタッフとして過ごした3年5か月

最初の1年間は「お金を稼いでくれ」ということで、id:kawasaki, id:mitsuki, id:yosukeと一緒に広告商品の企画、営業を担当しました。 営業経験はあまりない自分でしたが、商品設計の見直し、広告主さん、パートナー会社さんとの関係構築などを粘り強く続けた結果、広告収入は順調に増加(創業以来8期連続の増収増益)し、はてなの事業基盤をより強固にすることができたと思います。

また、2006年12月から取締役として経営に携わることができ、更に多くのことを学ばせてもらいました。 まさか自分が京都へのオフィス移転インターンシップ新卒採用まで担当することになるとは思ってもいませんでしたが、経営者の立場になってはじめて見えたことが数え切れないほどあり、これまでの社会人人生でもっとも貴重な経験になりました。 このような素晴らしい機会を与えてくださった、id:jkondo, id:kawasaki, id:naoyaをはじめとする役員(=はてな株主)のみなさんに感謝しています。

入社してからのことを思い返すと、事業規模が拡大したことで人材、開発へより積極的な投資ができるようになり、創業の地である京都への移転以降、スタッフも65名と大幅に増加しました。 また、任天堂さんとの協業をきっかけに、ニンテンドーDSi向けのサービスを開始するなど、会社としても新たなステージに踏みだそうとしています。

新たなチャレンジ

そんな中、ふと自分の将来を考えたときに、「ビジネスマンとして無限の成長を目指したい」という自分の志向を考えると、京都に根を張って、じっくりとものづくりに取り組んで行こうとするはてなで働き続けるのではなく、違った道もあるのではないかと考えるようになりました。 京都に来て1年が過ぎ、会社の体制も安定しつつあり、新たな事業展開の道筋も見えて来たことから、わがままを言って退職させていただくことになりました。

なぜ今なんだ、もう少しやってみたらいいじゃないかと慰留の言葉もかけていただいたのですが、僕自身、何か重大な決断をするときは物事がある程度上手く行っていて、気持ちに余裕があるときにしようと考えていたので、会社の上半期が終わったこの時期の退職となりました。 また、各チームで現場を任せられるスタッフが育っていたのも決断を後押ししてくれたと思っています。

とても居心地のよい環境、はてなの取締役というポジションを捨てて新しいことに挑戦しようとするのには大分迷いもありましたが、「何か大事なことをやめると決めないと、新しいことはできません。」というid:umedamochioの言葉も参考にして今回の決心をしました。

これから少しだけお休みをいただいた後、これまでとちょっと違った形でまたインターネット業界、日本のWEBに関わって行こうと考えています。 退職後も一はてなユーザー、一株主としてはてなを応援して行きたいと思っていますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

【おまけ】退職記念のプレゼント

退職の記念品として、スタッフのみんなからこんなプレゼントをいただきました。

右から順に……
  • 目覚まし時計
    • みんなが1人ずつ順番に「おはようございます!」というメッセージを吹き込んでくれました。
    • id:kawasakiの「はーい、朝会はじめますよー」というメッセージも入っていて、これで当分会社を辞めた気がせずに済みそうです。(笑)
  • メッセージカード
    • id:kyabanaがアルバイトを含む全スタッフの名刺を作ってくれて、みんなが名刺の裏にひとことずつメッセージを書いてくれました。
    • 名刺の数を見て、いやー、はてなも結構大きくなったんだなぁ、としみじみ感じました。
  • カエルの水筒
    • カエルはもちろん「うごメモはてな」にちなんだもの。
    • 「もし失敗したらカエッテ来いよー」という裏の意味もあるらしい(?)ので、安心して新しいことに取り組みたいと思います。(もちろん、失敗しないように頑張りますけど!)